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#03-01-2_3シュートの期待値とシュートの本数を決める要素【ORB】と【TOV】

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01バスケットボールの基本原則 ②勝敗を決める要素とそれを分析する4ファクター

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01バスケットボールの基本原則

#03-01バスケットボールの基本原理 INDEX
#03-01バスケットボールの基本原理 INDEX
01バスケットボールの基本原理
  1. ゲームの目的と勝利の方程式(無料)
  2. 勝敗を決める要素とそれを分析する4ファクター(無料)
  3. バスケットボールは「闘争競技」である ー 『競争闘争理論』の応用
#03プレーモデル:01バスケットボールの原則

勝敗を決める要素とそれを分析する4ファクター

2.勝敗を決める要素とそれを分析する4ファクター
  1. チームの得点はどうやって計算できるか【期待値の考え方】
  2. バスケットボールで最重要の要素
  3. シュートの期待値とシュートの回数を決める要素【ORB】と【TOV】
  4. 得点計算に用いられる現代バスケットのスタッツ
  5. 【PPP】と【POSS】を分析する4ファクター
  6. チームのKPIを設定し、プレーモデルを作る

この章では、前章で確認した試合に勝つための

【自チームの得点】>【相手チームの得点】

という目的を達成するため、バスケットボールにおいて「得点を相手より多く取る」ために、最も大切なことは何なのか、ということを整理します。

さらにそれらを分析するスタッツである「4ファクター」について整理し、「勝つため」にどうすれば良いか、ということを数字で分析できるようにします。

2.勝敗を決める要素とそれを分析する4ファクター

シュートの期待値とシュートの回数を決める要素

前回の記事で

【得点】=【シュートの期待値】×【シュートの回数】

で計算できることを確認し、そのことから

バスケットボールの勝敗に最も重要な要素は

【シュートの期待値】と【シュートの回数】である

ことを整理してきました。

前の記事はこちらです。

あわせて読みたい
#03-01-2_2バスケットボールで最重要の要素
#03-01-2_2バスケットボールで最重要の要素

今回は、【シュートの期待値】と【シュートの回数】はどうやって決まるのかを見ていきます。

シュートの期待値を決める要素

シュートの期待値は

【シュートの期待値】=【シュートの点数】×【シュートの確率】

ですから

シュートの期待値を決める要素
  1. シュートの種類
      ・・・スリースロー(FT) or 2ポイント(2pt) or 3ポイント(3pt)
  2. その確率

によって決まります。

詳しくは後の章で見ていきますが、シュートの期待値で考える(得点効率で考える)ことが一般的になり、常にノーマークで打てる(確率が相対的に高い)フリースローと、2ポイントの1.5倍の価値がある3ポイントシュートの価値が非常に高くなったのが現代のバスケットボールの特徴と言えると思います。

つまり、単に確率で考えるのではなく、FT(1pt)、2pt、3ptをしっかり考慮して分析する必要があると言うことです。

シュート確率が高いほうが良いのは当たり前だけど・・・

現代のバスケットボールでは、【シュートの期待値】という概念が一般化しています。

上で書いたように、これまでの単なる確率ではなく、3ptが2ptの1.5倍の価値があるということをしっかり評価することで、より効率的なバスケットボールができるということです。

しかし、当たり前ですが、同じ点数のシュートであれば、確率が高いほうが期待値が高くなります。

育成年代で、3ptシュートの確率が高くない(結果、3ptの期待値も高くない)フツウのチームは、結局は確率の良い2ptシュートを打つのが一番期待値が高いので、これまで同様「シュートの確率」で考えても「シュートの期待値」を考えてもそれほど大差はありません。

結局は「シュート確率が高い方が良い」という当たり前のことを言っているに過ぎません。

であれば結局新しい考え方ではなく「今まで通りじゃないか」と思う方も多いかもしれません。

そして確かにその通りです。

しかしでは、その

シュート確率をしっかりと分析していますか?

はずかしながら、私は指導を始めてからの10年間ちゃんと分析していませんでした

ざっくりと「決めるべきシュートを落としている」「シュート力がない」「今日はよくシュートが入ったな」などと振り返っていただけで、結局それが何%なのか、評価したことがなかったのです。

この【バスケットボールの基本原則】で解説している得点の考え方や、期待値の概念をしっかり学んで、プレーモデルも学んで、「本当に大切だ」と実感して始めてちゃんとスタッツを取り始めました。

ここでもただ「知っている」ことと「本当に実感した」ことに大きな差が私自身あったのです。

「スタッツをとって分析するのは大変だな」

と感じる方が多いと思います。そして実際にそうです。間違いなく手間や時間がかかります。

だからついついやらずじまいという方も多いと思います(過去の私)。

しかし、これまで見てきたように

バスケットボールの勝敗に最も重要で影響を与えるのが【シュートの期待値】なので、それの分析は、他のものを削ってでもやるべきことなのです。

それが、プレーモデルを整理することによって、重要さにヒエラルキーをつけ、重要な部分に時間をかけるということなのです。

さて、そうはいっても、メニューを考えたり試合の映像を見たり、そのほかにも時間がかかることはたくさんあるので、データ分析はできるだけ時間をかけずにやりたいですよね。

そこで、私はエクセルで自動集計してくれるシートを作って、そこに打ち込むだけで分析ができるようにしました。

記録は試合中に選手やマネージャーにさせて、私は試合後そのシートに打ち込むだけ。

5分もあればできます。

出来上がったシートを選手に見せて、選手たち自身が分析するという流れを作ってしまえば、ほとんど手間はかからなくなります。

私はこの方法で試合の分析をいつも行っています。

私が使っている分析シートはnoteで販売しているので、気になる方は見てみてください。

確実に金額以上の価値はあると思います。

参考記事
ゲームスタッツ分析シート(2024/8/8 Ver2公開)
ゲームスタッツ分析シート(2024/8/8 Ver2公開)

シュートの回数を決める要素

シュートの回数を増やすためにはどうすれば良いでしょうか。

攻撃回数を相手よりも増やせるのはオフェンスリバウンドだけ

バスケットボールの競技の特徴として、OFとDFが交互にやってくるので、基本的には両チームの攻める回数はほぼ同じ数になります

単純に攻撃回数を増やすには、「ペースを上げれば良い」です。

速攻主体の戦略で、ハーフコートでも時間をかけずにシュートまで持っていく。

そうすれば、自ずと攻撃回数は増加します。

しかし、その場合は相手の攻撃回数も増加します。

ですので、相手よりも効率の良い攻め(=期待値の高いシュートをたくさん打てる)ができるチームや、体力に自信のあるチームはこの戦略は有効ですが、単にペースをあげるだけでは、相手チームに対してアドバンテージを取ることはできません

結局、攻撃の回数を相手よりも増やす方法は基本的には1つしかありません。

お分かりの通り、それがオフェンスリバウンド(ORB)です

つまり、ORBを取れば、ORBを取った分だけ単純に攻める回数が相手よりも増加するのです。

ORB以外に相手よりも攻撃回数を増やす方法

仮にORBがお互いに0だったとすると、両チームの攻撃回数は同じになるかと言うと、実はそうではありません。

実は、ORBを除いて、相手よりも攻撃回数を増やす方法があります。

それについてはこちらの記事を参照してください。

参考記事
#03-01-2_4-2 相手よりポゼッションを多くする方法(途中)
#03-01-2_4-2 相手よりポゼッションを多くする方法(途中)

攻撃でシュートが打てないのはターンオーバーだけ

一方で、攻撃回数が増えても、シュートが打てなければシュートの回数は増えません。

そして、シュートが打てずに攻撃が終了するのはターンオーバー(TOV)だけです。

そもそもシュートが打てずに攻撃が終わることをTOVと呼んでいるので当たり前ですが。

つまり、TOVの回数分だけ攻撃回数からシュートの回数が減るわけです。

【ORB】を増やし【TOV】を減らす

以上を踏まえると、相手よりもシュートに本数を増やす方法は

  1. ORBを増やす
  2. TOVを減らす

しか(基本的には)ありません。

細かなスキルを練習するよりもまずこの2つの項目について練習する方が大切だということがプレーモデルを整理することによってわかるのです。

ORBとTOVが重要なのは当たり前?

「そうはいっても、ORBを増やすこととTOVを減らすことが重要なのは当たり前じゃん。みんな知ってるよ」

と感じる方も多いかもしれません。

しかし、はたして本当にそうでしょうか?

練習を振り返って、「ORBを増やすこと」(相手のORBを減らす)と「TOVを減らすこと」(相手のTOVを増やす)にどれだけ時間を費やしているでしょうか?

これまで見てきたように

  1. バスケットボールは【得点】を多く取ったほうが勝つ
  2. 得点は【シュートの期待値】×【シュートの回数】で決まる
  3. シュートの回数は【ORB】と【TOV】で決まる

これほどまでに重要性の高い【ORB】(と相手にORBをとらせないDRB)と【TOV】に割いている練習時間はその重要性に比べて不当に短くはないでしょうか?

私はそうでした。

もちろん「リバウンドをとる」ことと「ターンオーバーを減らす」ことが大切だと言うことは(言葉では)わかっていました。

しかし、それが練習に実践として現れていませんでした。

なんなら今思うと、「シュートを打って終わる練習」をすることで、「ORBに行かない練習」をしていたとすら思えます

相手が単純でノーマルなマンツーマンDFを想定した戦術の練習ばかりで、厳しくディナイされたときや、プレッシャーをかけられたときの練習はあまりしていませんでした

それはつまり言葉では知っていても、本当の意味ではORBとTOVの重要性がはわかっていなかったということです。

もちろん、一年を通じてずっとリバウンドのドリルをするというのは難しいかもしれません。

その場合、リバウンドを徹底する共通認識とそのスキルを一旦身につけさせて、その後はすべての攻防練習で、リバウンドを徹底する。と言ったような練習方法も可能だと思います。

大事なことはたくさんある。重要なのはそのヒエラルキー

「バスケットボールで大事なこと」は無数にあります。

よく考えれば、どんなプレーも大事です。

そして、バスケットボールを勉強して、よく知れば知るほど「大事なプレー」は増えていきます。

指導する上で、本当に重要なのは、無数にある大事なことにヒエラルキー(順位付け)することなのです。

バスケットを熱心に勉強して、その知識や練習ドリルの引き出しが増えても、「それに比例するようにチームが強くなっていかない」ことに悩んでいる指導者の方はそれが原因だと思います。

そしてそのヒエラルキーを規定し、それに従って練習を作るのが「プレーモデル」(体系化)です。

リバウンドとターンオーバーの重要性はわかっていても、練習内容や時間配分が重要性に相関していなかった。

という私の過去の経験を聞いて

「あぁ確かにそうかも」

と感じてくださった方は、このプレーモデル「Nメソッド」が必ず役に立つはずです。

まとめ

  • シュートの期待値は【シュートの点数】と【シュートの確率】が影響する
  • FT、2pt、3ptにしっかり分類して確率の分析が必要
  • シュートの回数は【ORB】と【TOV】が影響する
  • 【ORB】と【TOV】に対する練習時間が適切かは、一考の余地あり
  • 何が大切かではなく、その大切さのヒエラルキーを整理し、戦術や練習に紐づけていくことが重要で、それがプレーモデルである。

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スタンフォード女子の試合と『岡田メソッド』に衝撃を受けてPrinceton offenseとバスケットボールの体系化を極めるために日々勉強中
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