#03-02-1_5-2 ミスマッチ【個の優位性】を攻める
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2#03 Play Model攻防の基本原理
#03-02攻防の基本原則 INDEXシュートの期待値を上げる期待値の高いシュートとは何か。そのために必要なプレーは何か
- チームオフェンスの目標 – シュートの期待値を上げるための方法論
- 期待値の高いシュートを選択する
- DFを見て、DFのミスをつく
- 広いスペーシング・良いポジショニングで攻める【位置的優位性】
- チームで優位性【アドバンテージ】を作る/攻める
この①章では、勝敗に関わる3要素
- シュートの期待値
- ORB
- TOV
のうち、【シュートの期待値】を上げるためのプレーモデル(プレーの原則)を示します。
5.チームで優位性【アドバンテージ】を作る/攻める期待値の高いシュートを打つために、チームで優位性【アドバンテージ】を作って攻める
- アウトナンバー【数的優位性】
- ミスマッチ【個の優位性】
- クローズアウト / ズレ(separation)【場面的優位性】
この原則の目的は
期待値の高いシュートを打つために、チームで優位性【アドバンテージ】を作って攻める

アドバンテージを作る – クリエイト
ただ、闇雲にボールを持った人が、ドライブを仕掛けるだけのオフェンスではDFを突破してゴール下で良いシュートを打つことは難しいでしょう。
とにかくボールを持っている人が仕掛けてダメなら返す。また次の人が仕掛けてダメなら返す。をひたすら繰り返しているようなチームが散見されます。
それは、アドバンテージを作るプレーを全く省略しているので、期待値の高いシュートを打つことが難しいでしょう。
OF戦術は全てアドバンテージを作るため
チーム戦術は全て「アドバンテージを作るため」にあります。
あくまでも「アドバンテージを攻める」
チーム戦術を遂行する場合
- 期待値の高いシュートを打つためにはアドバンテージを攻める必要がある。
- チーム戦術はアドバンテージを作るためのもの。
ということが共通認識されていなければ、戦術の盤面上の動きをなぞった結果、全くアドバンテージが出来ていないのに無理やりシュートに行くようなプレーが頻発してしまいます。
目標は「アドバンテージを作って攻める」ことで、全てのOF戦術は「アドバンテージをつくるため」にあることを確認しておかなければいけません。
アドバンテージは3種類
3種類のアドバンテージ- アウトナンバー【数的優位性】
- ミスマッチ【個の優位性】
- クローズアウト / ズレ(separation)【場面的優位性】
この節では、これら3種類のアドバンテージを体系化していきます。
ミスマッチ【個の優位性】を攻める
優位性のあるマッチアップを認知して、チームで共通認識をもって攻める
- 個人能力のミスマッチを攻める
- 高さとパワーのミスマッチを攻める
- ゴール下でミスマッチを取り切る
①ポストOFスキル - 安全にもらってからゴール下に押し込む
①バックダウン ②バークレー - 形勢優位を活かす
①フェイクとファールドロー
- ゴール下でミスマッチを取り切る
- スピードのミスマッチを攻める
- 1v1でブレイクして2v1を作る
- ミスマッチをデコイにして、他のチャンス(アドバンテージ)を攻める
- カッティングで数的優位を攻める
①ブラインドカット ②ヘルパーダイブ - 2wayクローズアウトを作って攻める
- カッティングで数的優位を攻める
この原則の目的は以下のものです。
優位性のあるマッチアップを認知して、チームで共通認識をもって攻める

ミスマッチとは・・・
- ミスマッチ
-
相手プレイヤーとの技術や身体能力などでの不均衡を指します。
ミスマッチが発生すると、相手よりも有利な状況(優位性=アドバンテージ)を作り出すことができます。
ミスマッチができている状態では、DFが何もしなければマッチアップの能力差によってそのまま得点されるので、DFはダブルチームやオーバーヘルプなどの何かしらの対応をすることになります。
「DFが何かしらの対応を強いられる」ということはOFが先手を取っている状態です。
つまり、ミスマッチができている状態は、ベースが形勢優位な状態なので、OFはそこから後出しジャンケンをして「代償を支払わせる」ことを考えていきます。
したがって、ミスマッチを活かして攻めることで、DFにその代償としてアウトナンバー(数的優位性)やクローズアウト(場面的優位性)を発生させることができます。
つまり、優位性(この場合ミスマッチ)を攻めることから、ドミノ倒しのようにオフェンスが連動して優位性を継続/拡大して最終的に期待値の高いシュートを打つことを目指します。
ミスマッチを攻めるオフェンスフローをまとめると次のようになります。
- ミスマッチを認知して、チームで共通認識を持って攻める
- DFがミスマッチに対応してこなければ、そのまま攻める
- DFがミスマッチに対してアクションしてきたら、ミスマッチをデコイにして他のアドバンテージをついて「代償を支払わせる」
- アドバンテージをつくブレイクから、合わせの連動で優位性を継続/拡大して最終的に期待値の高いシュートを打つ
ミスマッチの認知と共通認識→DFオーバーヘルプ→オープンパス(ミスマッチデコイ)→エキストラパス(アドバンテージの拡大)→オープン3pt(期待値の高いシュート)
これはチームの戦術にもよりますが、「ミスマッチが発生した場合はそこをつく」ということをチーム全体で共通理解しておくことがまず大切です。
- ミスマッチが発生してもミスマッチの選手がボールをもらおうとしない。
- ミスマッチが発生しているのに、違うプレーヤーが1v1を始める
などがよく見られるケースです。
3種類のアドバンテージ
- アウトナンバー
- ミスマッチ
- クローズアウト/ズレ(セパレーション)
に関しては、プレーヤー全員が認知できて、共通認識をもって攻められるようにしておきましょう。
チームでミスマッチを共通認識をもって攻めるための大前提ですが、コート上の5人全員が5組のマッチアップを認識できていることが必要です。
「そんなの当たり前じゃん」
と思うかもしれませんが、これはそんなに簡単ことではありません。
地区大会レベルのチームのプレーヤーであれば、「自分が何番についているか」しか意識しておらず、5組のマッチアップまで把握してません。
一度、試合中のタイムアウトで誰か一人に全員のマッチアップを聞いてみると良いと思います。きっと答えられない場合が多いと思います。
特にOFになれば、なおさらです。自分が何番にマッチアップされているかすらアヤシイ選手もいると思います。いわんや5組全てをや、です。
やはりまず大切なのはコート上を解像度高く認知する力なのです。
第一に相手があるか(競争闘争理論)
話は少しずれますが、これらのレベルのプレーヤーは相手のDFがゾーンDFに変わっても気づけないケースも多いです。
それぞれのマッチアップが頭に入っていれば、すぐに気づくはずです。
しかし、そうではないのはやはり、DFを見ていないから、さらにいうと自分以外の9人に対する意識が薄いからです。
闘争競技はまず「相手ありき」なのですが、やはり自分ありき、そしてDFではなくOF(チームメイト)を見ていることが1番の原因だと感じます。
近年では、PnR(ピックアンドロール)をスイッチで守ることが非常に多くなっているので、ミスマッチが起こる場面は昔に比べて増えていると感じます。
NBAではPnRでフィニッシュするのではなく、スイッチを誘発し、ミスマッチを作るために使うケースも非常に多いです。
これを「マッチアップメイキング」と呼んでいます。
- マッチアップメイキング(Match Up Making)
-
スクリーンを利用してDFをスイッチさせてミスマッチが生まれるような有利なマッチアップを意図的に作ること
ミスマッチが発生したときにチームとしてどうやって攻めていくかは、練習をしておく必要があります。
チーム内に高い個人能力をもつプレーヤーがいる場合、相手プレーヤーの誰とマッチアップしても能力的にミスマッチとなり、1v1が優位に進められるケースがあります。
その場合は、チームオフェンスとして複雑なクリエイトをする必要はなく、その選プレーヤーの1v1を中心にオフェンスを組み立てていくことが最も有効になります。
例えば、レブロンジェームズはそういった選手の1人です。
レブロンジェームズが最初に在籍したリーブランド・キャバリアーズではまさにそうでした。
レブロン以外にスター選手がいない中で、NBAファイナルまで導いています。
当時はよく「戦術・レブロン」と言われていました。レブロンの1v1を誰も止めることができないので、複雑な戦術は必要なく、アイソレーションからレブロンの1v1でオフェンスをスタートさせればアドバンテージを生じさせることができました。
ミスマッチは相対的なもの
一方で、そのようなプレーヤーがいないチームが大半です。
ですので、「戦術・レブロン」のようなオフェンスを採用することは難しいと思いますが、だからと言って「個人能力のミスマッチを攻める」ことが難しいかというとそうではありません。
「ミスマッチ」とは相手との相対的な力の差で決まるものなので、5組のマッチアップの中で最も能力に差のあるマッチアップを「個人能力のミスマッチ」と呼べるケースはよくあります。
レブロンジェームズのような「圧倒的な個の力」がなくても、相対的に個人能力のミスマッチが発生しているところを中心にオフェンスを組み立てていくことは十分に可能です。
育成年代での「戦術・レブロン」の是非
この「個人能力のミスマッチを攻める」でよく話題になるのが、育成年代、とくにミニバスでの「戦術・レブロン」の是非です。
能力差の大きいミニバスでは、最も能力の高い選手にずっとボールを持たせて攻めさせて、他のプレーヤーは広がって邪魔をしないようにして、両チームがゲームを通じてお互いにエースの1v1を繰り返しているだけのような試合があるようです。
私は、ミニバスに指導者として関わったこともありませんし、ミニバスの試合もほとんど見ていないので、真偽はわかりませんが、中学の試合でも全国大会でそのようなゲームを見たことがあるのであながちウソではないとは思います。
もちろん、「この1試合の勝ちにこだわる」ならその戦術は正しいのかもしれませんが、私は基本的にはそのような戦術の採用には否定的な立場です。
理由は大きく2つあります。
- 育成という観点
- チーム力は、各選手のパラメータの高低や、能力の足し算では決まらな
|育成という観点
一つ目は、よく言われる育成という観点です。
やはり、さまざまな能力を向上させていく必要がある年代において役割を限定しすぎることはマイナスに働く面が大きと思います(エースにとっても)。
この観点はさまざまなところで議論されているので、私が改めて長く書く必要はないかと思います。
|チーム力は個人能力の足し算では決まらない
これは【コーチング実践】でも触れますが、チームビルディングにおいて大切な考えだと私は考えています。
要は
雰囲気が良くて、前向きで、感情豊かな方がチーム力は高くなる
ということです。
指導者は、選手を評価するときに無意識に「各選手のパラメータ」のみを考えてしまいます。要は「バスケットボールのうまさ」です。
「(サイズを考慮して)上手い順に5人をスタメン」としがちなのです。
少しスキルは劣っていても、前向きな声掛けができるプレーヤー、感情を爆発させてチームを盛り上げてくれるプレーヤーが、コート上に必要です。
そして、基本的には仲が良くて明るく雰囲気の良いチームの方が良い結果が出ます。
この視点で育成年代における「戦術・レブロン」を考えてみます。
育成年代のプレーヤーは精神的に成熟していませんから、エースの役割を担う選手はどうしても横柄になり他責になりがちです。
「オフェンスは俺が頑張ってるんだから、他のヤツはディフェンスくらいやれよ」
「パスしても外すなら、もうパスしないぞ」
など、どうしてもそういう思考になりがちです。
そのようなメンタリティは、やはり良いプレーができる状態ではないと思います。
一方、ほかのプレーヤーは地味でしんどいことだけやらされている感覚になり、なかなかポジティブな感情をコート上で表現することができなくなります。
つまりチーム力が「各選手のパラメータの単なる足し算」にすらならないのです。
チーム力は5人の単なる足し算になればかなり良い方
チーム力に関して、上記の内容に関連して少し余談ですが、私が印象に残っている話を紹介します。
チームビルディングについて書籍も多数出版されている福富信也さんが、JBAのクリニックに登壇されJBAの今田さんと対談されたときにおっしゃっていた内容です。(下記の内容は私の記憶による意訳なので原文ママではないです。)
「チーム力は掛け算だ」とよく言いますが、実際には掛け算のように大きくなることはほとんどありません。
むしろ1+1+1+1+1=5になれば、チーム作りとしてはかなり良い方です。
ほとんどの場合は、1+1+1+1+1=5にもならない。それほどチーム作りは難しい。

この内容は、私の中にかなり残っていて、いつも意識しています。
つまり、各選手が持っている力を発揮できる状態にする。邪魔しない。
1の力がコート上で0.8にならないようにする。
そのことを心がけるようにしています。
高さとパワーの差を活かしてゴール下を攻める
- ゴール下でミスマッチを取り切る
- ポストOFスキル
- 安全にもらってからゴール下に押し込む
- バックダウン
- バークレー
- 形勢優位を活かす
- フェイクとファールドロー
高さとパワーの差を活かしてゴール下を攻める

高さとパワーのミスマッチでは、しっかりとゴール下を攻めることが目的です。
高さとパワーのミスマッチが発生しているにも関わらず、ミドルショットをしてしまうプレーヤーもいるので、それは注意してまずゴール下を攻めにいくプレーをさせるようにします。
最初のカットが浅く、ローポストでボールを受けようとしている意図がうかがえます。
ポストでもらうのではなくゴール下でもらうことを意図することが特に高さのミスマッチでは大切です。
多くの育成年代のプレーヤーはミスマッチが発生しても「ローポストでポストアップ」してしまいがちです。
ローポストではなく、ゴール下(セミサークル)でボールを受けることを狙わなければいけません。
これは【ポジショニングの闘い】で書いたことと繰り返しになりますが、大切なことなので再度言及してきます。
高さのミスマッチが発生している場合は特にバックシールから狙うことが大切です。
身長差があるためロブパスをカットすることが難しく、裏に入れば最も期待値の高いシュートが打てるためです。
バックシールを守りにきたら次に表でゴール下に押し込んでボールを受けます。


パワーのミスマッチはあまり言われることが少ないですが、個人的に非常に大切に考えています。
育成年代でもレベルの高いチームやプロではサイズのミスマッチが発生した場合、多くはパワーのミスマッチも発生しているので、パワーのミスマッチが強調されることは少ないですが、育成年代の場合、体の成長にばらつきがあるため、サイズのある選手が非力で、サイズのない選手にパワーがある場合も少なくありません。
身長差がなかったり、少し相手の方がサイズがあったとしても、パワーにミスマッチがある場合には、かなりゴール下で優位性を作ることができます。
特にトップレベルではない育成年代のチームは、大きなプレーヤーがいないことが多いので、極端な高さのミスマッチは作ることが難しいケースが多いです。
しかし、パワーがある選手というのは案外いたりします。
自チームにパワーのある選手がいる場合はパワーのミスマッチを活かして戦術を立ててみましょう。
バックシールは有効ではないケースが多い
パワーのミスマッチでは、高さに差がないケース(あるいは高さは負けているケース)が多いため、バックシールは有効ではない場合が多いです。
高さのミスマッチのケースとは考え方を変えて、ゴール下ではなく外目で簡単にもらってから後述するバックダウンやバークレーを使ってゴール下に押し込んでいく方が有効です。
ミスマッチにこだわり過ぎるとうまく行かない
高さとパワーのミスマッチを攻める上で注意しておきたい点です。
それは「ミスマッチにこだわり過ぎるとうまく行かない」ケースが多いということです。
先述したようにミスマッチが発生した場合、基本的にDFはオーバーヘルプやダブルチームなどミスマッチを守るための何らかのアクションをしてきます。
先述のように、それらのアクションに対して「代償を支払わせる」ことが重要です。
よって、そういったミスマッチを守るアクションをDFがしているにも関わらず、ミスマッチを攻めていては逆にOFはうまく行かないことになります。
つまり、「ミスマッチを攻める」という「自分たちのプレー」ばかり遂行していて「相手DF」が見えていない状態になってしまっているわけです。
したがって、「ミスマッチを攻める」場合は、ミスマッチを守るDFのアクションに対するカウンタープレーまでをセットに指導しなければいけません。
それに関しては、後述する「③ミスマッチをデコイにして、他のチャンス(アドバンテージ)を攻める」で原則を整理しています。
ゴール下でミスマッチを取り切る
|ポストOFスキル
高さとパワーのミスマッチを攻めてしっかりとスコアするためには、ポストプレーのスキルを習得しておくことが大切です。
いわゆるポストムーブです。
近年では、スモールプレイヤーがインサイドを攻めることが多くなっていますので、ポストプレーのスキルは全プレーヤーにとって必須だと考えています。
多くの動画がありますので、自分自身で必要なムーブをドリル化されるのが良いと思いますが、私が教えているのは以下の7種類です。
- バックダウン→ベビーフック
- バックダウン→ロールターン
- バックダウン→ロールターン→ポンプフェイク
- バックダウン→ジャンプストップ(ボードに垂直)→リバースターン
- バックダウン→ジャンプストップ(ボードに垂直)→ステップイン
- バックダウン→背面ストップ(ボードに平行)→左右ターン
- バックダウン→ジャンプストップ(ボードに垂直)→フェイダウェイ
それぞれ、DFに対応したストーリーがあるプレーなので、ダミーDFを重視して行います。ここでもあくまでプレーはDFによって決まることを強調します。
以下はミスマッチとは関係がありませんが、ポストムーブの参考動画です。
他にもyoutubeにたくさんあるかと思いますが、繰り返しになりますが、複雑なステップや動きを練習するのではなく、DFへの対応(後出しジャンケン)が大切になりますので、参考にする場合もその部分を考える必要があります。
安全にもらってからゴール下に押し込む
- バックダウン
- バークレー
高さとパワーのミスマッチが発生している場合は、ゴール下でボールを受けることをまずは狙いますが、先述のようにパワーのミスマッチを攻めたくて高さに差がない場合や、アウトサイドのプレーヤーのポストフィードパスの技術に不安がある場合は、無理にゴール下に入れようとするとパスミスが起こります。
そのような場合はTOVを減らすために、少し広がって安全にもらい、そこからバックダウンでゴール下まで押し込んでフィニッシュします。
サイズのミスマッチができているのであれば、簡単にミドルシュート打つのではなく、ゴール下まで押し込むことが大切です。
|バックダウン
- バックダウン
-
バックダウンとは、DFに背を向けてドリブルで押しこんていくプレー
ミスマッチにボールを入れるシーンでのミスは発生しやすいので、広めのエリアで安全にもらってから、バックダウンでミスマッチを攻める方法は有効です。
|バークレー
- バークレー
-
バークレーとは、アウトサイドからドライブをして、そのままバックダウンに入るプレーのことです。
チャールズバークレーの得意プレーだったためそう呼ばれています。
アウトサイドでボールを受けた場合、ゴール下まで距離があるので、バックダウンだけでゴール下まで押し込むことは難しいケースも多いです。
アウトサイドでボールを受けた場合は、まずドライブで1v1を仕掛けて、期待値の高いシュートに持ち込めな意図判断したらバックダウンに切り替えるというプレー(=バークレー)が有効です。
形勢優位を活かす
ミスマッチによる形勢優位を活かして期待値の高いフリースローを狙う
- フェイクとファールドロー
DF側から考えると、ミスマッチの1v1は、「形勢不利」の状態です。
「形勢不利」な状態で負けないようにするためには「頑張り」が必要になるので、フェイクに引っかかりやすい状態となります。
したがって、OFは「形勢有利」な状態の場合、積極的にフェイクを使ってファールドローを狙っていきましょう。
|フェイクとファールドロー
スピードの差を活かしてドライブし、数的優位を作る
- 1v1を仕掛けることで2v1を作る
スピードの差を活かしてドライブし、数的優位を作る

スピードのミスマッチは、個人的にはそこまで重視していません。
プロレベルになれば、1v1スキルも高く、3ptの期待値も高いので効果的な1v1ができますが、それほどスキルが高くない場合、少し引いて守られてしまったらドライブで抜くことも難しく、かといって3ptを狙うにしても逆にサイズのミスマッチでコンテストされて期待値の高いシュートが打てなくなってしまいます。
もちろん、チームの構成や個々の能力によって変わってくる部分ですから、スモールプレイヤーがエースの場合は、積極的にスピードのミスマッチをついていくことは有効になります。
2023WCやパリオリンピックの日本代表は、河村選手のスピードのミスマッチを攻めることが最も使われていた戦術かと思います。
1v1を仕掛けることで2v1を作る
スピードのミスマッチは基本的にドライブで崩していくことになります。
そのため、そのままスコアできるケースは少なく、ひとまずヘルプDFとの2v1を作ることが目標となります。
そのため、2v1のスコアの原則や、【04ゲームサイクルの原則】で体系化する「ブレイク後の合わせ(DOMINO)」の原則と合わせて指導していく必要があります。
ミスマッチに対するDFのアクションに対応してアドバンテージを攻める
- カッティングで数的優位を攻める
- ブラインドカット
- ヘルパーダイブ
- 2wayクローズアウトを作って攻める
ミスマッチを活かす上で、このプレーモデルは意識して指導することはとても大切です。
繰り返しになりますが、ミスマッチができている状態では、DFはダブルチームやオーバーヘルプなどの何かしらのアクションをして対応をすることが必要です。
OFはそのDFの対応に対して、後出しジャンケンをして「代償を支払わせる」ことを考えていきます。
そのカウンタープレーまでを含めて「ミスマッチを攻める」と定義しておかなければ、先述のように「ミスマッチを攻めることにこだわり過ぎて逆に上手く行かない」ケースは多くなってしまいます。
そのカウンタープレーにあたるのが、【ミスマッチをデコイにして、他のチャンス攻める】原則です。
デコイ(Decoy)とは、「おとり」のことです。
- デコイ(Decoy)
-
「おとり」にして、他の場所を攻めること
まずは、ミスマッチをデコイにして、他のチャンスを攻めている映像を紹介します。
ミスマッチに対するDFのアクションとしては、大きく2種類あります。
- ダブルチーム
- オーバーヘルプ
このそれらに対して
- カッティングで数的優位を攻める
- 2wayクローズアウトを作って攻める
というリアクション(対応)で「代償を支払わせ」ます。
ミスマッチに対するDFの例です。
フルフロントDFがオーバーヘルプです。


カッティングで数的優位を攻める
一つ目がカッティングをして数的優位やノーマーク(1v0)を作って代償を支払わせます。
主なプレーは
- ブラインドカット
- ヘルパーダイブ
です。
|ブラインドカット
ミスマッチを守るためにヘルパーがダブルチームに行ったりオーバーヘルプするために、ボールマンに意識が行きます。
意識がいくと、どうしても視野もそちらに集中して、マークマンの視野が切れやすくなります。
したがって、【視野の闘い】で整理した”ブラインドカット”がミスマッチをデコイにするOFとして非常に相性が良いのです。

ゴール下にスペースがない場合は、ハイポストなどのスペースにブラインドカットする(フラッシュ)。

|ヘルパーダイブ
ミスマッチにボールが入ったら、ダブルチームを仕掛けてくるケースも多いです。
その場合は、ヘルパーダイブを原則として、リアクションしていきます。


2wayクローズアウトを作る
特にオーバーヘルプに対してや、ダブルチームに行く動きに対して逆をつくことで2wayクローズアウトを作り、オープン3ptのシチュエーションを作ります。
2wayが作れるシチュエーションは様々ありますが、一例をあげます。


まとめ
優位性のあるマッチアップを認知して、チームで共通認識をもって攻める
- 高さとパワーのミスマッチを攻める
- ポストOFスキル
- バックダウン/バークレー
- フェイクとファールドロー
- スピードと技術のミスマッチを攻める
- 1v1を仕掛けることで2v1を作る
- ミスマッチをデコイにして、他のチャンス(アドバンテージ)を攻める
- カッティングで数的優位を攻める
①ブラインドカット ②ヘルパーダイブ - 2wayクローズアウトを作って攻める
- カッティングで数的優位を攻める
- 「ミスマッチを攻める」ことと、「ミスマッチをデコイにして攻める」ことをセットで指導する。
- ミスマッチにDFが何もしてこなければ、得点できる。
- ミスマッチに対するDFアクションしてきたら、「代償を支払わせる」ように攻める。
- チーム全員がミスマッチを認知できるようにすること、共通認識をもって攻めることが大切。
- スクリーンなどを用いて、有利なマッチアップ(ミスマッチ)を作ることを”マッチアップメイキング(MUM)”という。
- 高さのミスマッチでは、まずゴール下を攻めることが大切なので、バックシール→フロントという順で攻める。
- 育成年代では、パワーのミスマッチは発生しやすい。パワーのミスマッチでゴール下を攻めることは有効。
- ミスマッチを攻めることにこだわり過ぎるとうまく行かないことが多い。ミスマッチをデコイにして他の優位性を攻めることが重要。
- 高さとパワーのミスマッチを攻めるためのポストフィードでのミスが起こりやすいため、広めで安全に受けてからバックダウンやバークレーでゴール下を攻めることも有効。
- ミスマッチに対する”ダブルチーム”や”オーバーヘルプ”に対して「代償を支払わせる」ために”ブランドカット”、”ヘルパーダイブ”で期待値の高いシュート打つ。あるいは”2wayクローズアウト”を作ってオープン3ptを打つ。















