#03-01-2_1チームの得点はどうやって計算できるか【期待値の考え方】
プレーモデル一覧のページ
01バスケットボールの基本原則

- チームの得点はどうやって計算できるか【期待値の考え方】
- バスケットボールのKPI
- シュートの期待値とシュートの本数を決めるもの
- 得点計算に用いられる現代バスケットのスタッツ
- 【PPP】と【POSS】を分析する4ファクター
- チームのKPIを設定し、プレーモデルを作る
この章では、前章で確認した試合に勝つための
【自チームの得点】>【相手チームの得点】
という目的を達成するため、バスケットボールにおいて「得点を相手より多く取る」ために、最も大切なことは何なのか、ということを整理します。
さらにそれらを分析するスタッツである「4ファクター」について整理し、「勝つため」にどうすれば良いか、ということを数字で分析できるようにします。
前の記事はこちらです。

- チームの得点はどうやって計算できるか【期待値の考え方】
- バスケットボールで最重要の要素
- シュートの期待値とシュートの回数を決めるもの
- 得点計算に用いられる現代バスケットのスタッツ
- 【PPP】と【POSS】を分析する4ファクター
- チームのKPIを設定し、プレーモデルを作る
チームの得点を計算する【Basketball Analytics】
さて、ここまで記事で最も大切なことを確認してきましたが
「当たり前のことを何長々と書いてるんだ。そんなことが知りたいんじゃないんだ」
と思っている方も多いかもしれません。
ただ、私は過去の自分の指導を振り返ると、中途半端に学べば学ぶほど、どんどんその当たり前の前提の認識が薄れて戦術やスキルといった枝葉の部分ばかりフォーカスしてしまっていた気がします。
ですのでこの前提の確認は、本当にかなり大切なことだと思っています。
ここからが、いよいよ核心に迫っていきます。
バスケットボールの得点は計算できる
現代バスケットボールでは、得点は計算できます。
ここがサッカーや野球とは異なる「バスケットボールの競技特性」です。
バスケットボールは確率のスポーツです。
昨今盛んに言われている「アナレティック・バスケットボール」というのは、このことです。
(Analytic Basketballというのは検索しても海外のサイトはヒットしないので、この呼び方は日本特有のものかもしれません・・・)
では、どうやって計算するか。
それは
【得点】=【シュートの期待値】×【シュートの回数】
です。
後に一般にスタッツとして使われている形を説明していきますが、その内容は(特に中高生には)少し難しいです。
そのため、これがわかりやすく育成年代にも伝えやすいので特に問題はなく、私自身もこれをよく使っています。
シュートの期待値ってなんだ?と言う人は以下を参照してください。
- シュートの期待値とは?
-
シュートの期待値とは・・・
例えば、2点のシュートを50%の確率で決められるのであれば、そのシュートの期待値は
2×0.5=1
となります。
バスケットボールは1試合で放つシュートの数が多いので、大まかな確率を掴むことは容易であるため、このように計算していくことが可能です。
それがサッカーとの大きな違いと言えるでしょう。
【得点】=【シュートの期待値】×【シュートの回数】
例えば、チームが1試合に80本のシュートを打ってその期待値が0.8であれば、
チームの得点は
80×0.8=64(点)
と計算できる(と考える)いうことです。
1本のシュートの成否よりも1試合通した期待値に着目する
【得点】=【シュートの期待値】×【シュートの回数】
と考えることで、何が変わるのか?
それは、1本のシュートの成否よりも、1試合通した期待値に着目するということです。
例えば
- 「普段40%の確率で決めているA君のジャンプシュート」でチームオフェンスが終わる
- 「普段60%の確率で決めているB君のゴール下シュート」でチームオフェンスが終わる
この2つのオフェンスが試合中に
「A君のシュートが入って、B君のシュートが外れた」ということが当然ありえます。
このときに、どちらのオフェンスの方が「Good offense」だったと指導者が評価すべきかというと、B君のシュートが外れたオフェンスの方だということです。
今回は外れたかもしれないけれど、試投数を増やしていけば、本来の確率に収束していく。それが確率の考え方です。
例えば、サイコロを6回投げたときに、必ず1の目が出るかどうかはわからないですが、サイコロを600回投げたらおよそ100回程度は1の目が出るはずです。
ですので、今回はたまたまA君のシュートが入り、B君のシュートが外れたかもしれないが、A君もB君も試合中に10本のシュートを打てばチームとしては、A君のシュートでは8点、B君のシュートでは12点取れるはずだ。
とそう考えるわけです。
つまり、チームオフェンスとしては、B君のゴール下シュートで終わる方が効率が良いと考えます。
そう考えると、チームオフェンスの目的とその評価が「シュートが入ったかどうか」ではなく「期待値の高いシュートが打てたか」つまり効率が良いオフェンスかどうか、というものになります。
結果で評価するのではなく、プロセスを評価するという評価軸に変わります。
そうなると、指導者も選手も意識が変わります。
選手も指導者もシュートの成否に一喜一憂してメンタルが不安定になることもありません。
シュートを外した選手に怒鳴り散らしているような指導者はこの「現代バスケの基本のき」も知らないんだな、と私はいつも思っています。
ただ、この考え方にもあまり一般的に語られていない落とし穴があると私は感じています。
そのことは、期待値を深掘りするところで後述したいと思います。
まとめ
- 試合に勝つには相手より多く点数を取れば良い
- 【得点】=【シュートの期待値】×【シュートの回数】
という計算で得点を考える - オフェンスは、シュートの結果を評価するのではなく、期待値の高いシュートを打てたか、というプロセスを評価する
- 効率の良いオフェンス(=期待値の高いシュートを打つオフェンス)を遂行する。














