#03-02-1_5-3 クローズアウト / ズレ(separation)【場面的優位性】を攻める
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2#03 Play Model攻防の基本原理
#03-02攻防の基本原則 INDEXシュートの期待値を上げる期待値の高いシュートとは何か。そのために必要なプレーは何か
- チームオフェンスの目標 – シュートの期待値を上げるための方法論
- 期待値の高いシュートを選択する
- DFを見て、DFのミスをつく
- 広いスペーシング・良いポジショニングで攻める【位置的優位性】
- チームで優位性【アドバンテージ】を作る/攻める
この①章では、勝敗に関わる3要素
- シュートの期待値
- ORB
- TOV
のうち、【シュートの期待値】を上げるためのプレーモデル(プレーの原則)を示します。
5.チームで優位性【アドバンテージ】を作る/攻める期待値の高いシュートを打つために、チームで優位性【アドバンテージ】を作って攻める
- アウトナンバー【数的優位性】
- ミスマッチ【個の優位性】
- クローズアウト / ズレ(separation)【場面的優位性】
この原則の目的は
期待値の高いシュートを打つために、チームで優位性【アドバンテージ】を作って攻める

アドバンテージを作る – クリエイト
ただ、闇雲にボールを持った人が、ドライブを仕掛けるだけのオフェンスではDFを突破してゴール下で良いシュートを打つことは難しいでしょう。
とにかくボールを持っている人が仕掛けてダメなら返す。また次の人が仕掛けてダメなら返す。をひたすら繰り返しているようなチームが散見されます。
それは、アドバンテージを作るプレーを全く省略しているので、期待値の高いシュートを打つことが難しいでしょう。
OF戦術は全てアドバンテージを作るため
チーム戦術は全て「アドバンテージを作るため」にあります。
あくまでも「アドバンテージを攻める」
チーム戦術を遂行する場合
- 期待値の高いシュートを打つためにはアドバンテージを攻める必要がある。
- チーム戦術はアドバンテージを作るためのもの。
ということが共通認識されていなければ、戦術の盤面上の動きをなぞった結果、全くアドバンテージが出来ていないのに無理やりシュートに行くようなプレーが頻発してしまいます。
目標は「アドバンテージを作って攻める」ことで、全てのOF戦術は「アドバンテージをつくるため」にあることを確認しておかなければいけません。
アドバンテージは3種類
3種類のアドバンテージ- アウトナンバー【数的優位性】
- ミスマッチ【個の優位性】
- クローズアウト / ズレ(separation)【場面的優位性】
この節では、これら3種類のアドバンテージを体系化していきます。
クローズアウト / ズレ(separation)【場面的優位性】を攻める
ズレ(separation)を作り、認知して、優位性のある1v1を効果的に攻める
- クローズアウト/ズレを作る
- DFを引き付ける
①個の優位性を利用する ②ペイントアタック - DFの逆をつく – 2wayクローズアウトを作る –
- DFを遅らせる
①ノールックパス ②スクリーン - フェイクでズレを作る
- DFを引き付ける
- ズレを攻める
- クローズアウト(縦ズレ)を攻める
①シュート力が全て ②前足を攻める
③効果的にエキストラパスを使う - インラインアタック(横ズレを攻める)
①スプリットキャッチ ②スタンピード
- クローズアウト(縦ズレ)を攻める
この原則の目的は以下のものです。
クローズアウト/ズレ(separation)を作り、認知して、優位性のある1v1を効果的に攻める

ここでは、ズレを2種類に分類しています。
- 縦ズレ → クローズアウトシチェーション
- 横ズレ → インラインが空いている
両方を合わせて「separation(セパレーション)」と呼ばれています。
- クローズアウト
-
ボールマンとそのDFの間のスペース詰めながら、オンボールディフェンスに移行する場面のこと。
クローズアウトシチュエーションの例:ドライブ&キック

クローズアウトシチュエーションが発生したことによって、インラインが空くこともよくありますので、この2種類が完全別物というわけではありません。
基本的にはどちらも、DFが遅れて距離ができる(セパレーション)ことで発生するため、OFはDFを遅らせることを目指します。
チームとしては、DFを引きつけたり遅らせたりすることで、クローズアウトシチュエーションを作ることを目指し、プレーヤー個人としては、そのズレを的確に攻めることが重要になります。
クローズアウト/ズレを効果的に攻め、得点効率を高める
クローズアウトを発生させることができれば、OFにとっては「カウンターの1v1」になるのでアドバンテージのある1v1が可能です。
一方、クローズアウトは、その他の2つのアドバンテージ、すなわち
- アウトナンバー【数的優位性】
- ミスマッチ【個の優位性】
よりも弱いアドバンテージになります。
しかし、作ることも比較的容易で、発生頻度も高くなります。
したがって、いかにクローズアウトシチュエーションを効率的にうまく攻めるかが、得点効率(PPP)を高めるための重要な要素となります。
一方、クローズアウトシチュエーションから1v1をしても相手はヘルプなどで対応してきいますから、即簡単な2点につながるケースは多くありません(そうなる場合は、相手のDFのレベルが低いということになるでしょう)。
クローズアウトシチュエーションから1v1から他のアドバンテージ、特にアウトナンバー繋げて、得点するというフローの共通理解は大切です。
ここでは、「ズレを作る/攻める」という部分にフォーカスして整理しますが、指導現場では、ズレをつくことを皮切りに、アドバンテージを拡大して、より優位な(大きい)アドバンテージに移行させながらOFを進行させていく(簡単に言えば”合わせ”)というフローは合わせて指導する必要があると考えます。
効果的に攻めるためのズレを作る
- DFを引き付ける
- DFの逆をつく – 2wayクローズアウトを作る –
- DFを遅らせる
- フェイクでズレを作る
効果的に攻めるためのズレを作る

効果的な1v1をするためには、ズレを作ってからブレイクすることが大切です。
一つひとつのアクションはズレを作るため
OFの一つひとつのアクションは、3つの優位性を作ることが目的である、ということはすでに整理しました。
さらに、上記のようにアウトナンバーとミスマッチは通常それほど簡単に作ることはできないため、OFの多くのアクションは、DFのズレを作るためものだ、ということができます。
ズレを作る意図のないOFはカタチだけのプレーになる
例えば、一般的に「早い(速い)パスが大切」ということが指導されます。
では、なぜ早い(速い)パスが大切なのかというと、「より大きなズレを作れるから」ということになります(それ以外にも理由はあると思いますが)。
一つのパス、一回のドライブ、一回のスクリーン、そのそれぞれは「DFのズレを作ること」を目指しています。
試合でよく見られる「カタチだけのプレー」は「ズレを作ることを目指していないプレー」だからそのように感じるのです。
『競争闘争理論』に書かれている「怖さのない攻め」と全く同じだと考えます。
DFを引き付ける
クローズアウトを発生させるためには、誰かがDFを引き付けてOFとDFとの間に距離を作る必要があります。
DFを引き付けるための原則は大きく2つに整理できます。
- 個の優位性を利用する
- ペイントアタック
- ドライブでペイントアタックする
- カッティングでペイントアタックする
- ポストアップしてペイントアタックする
得点に直結するプレーをすることで、DFに人数をかけて守らせます。つまりそれがDFを引き付けるということです。
DFに「危ない!」という感情を抱かせることが重要です。
「怖さ」のないプレーには引力が働かない
佐々木クリス氏は「引力」という言葉をよく使っておられます。
「DFを引き付ける=引力が働く」ということです。
DFが引きつけられる(=引力が働く)のは、「(ヘルプ等)何もしなければ得点される」という怖さがあるからです。
つまり、得点するという意思に引力が発生します。
「DFを引き付けるためのプレー」には「怖さ」がないので結果として引力が働きません。
ペイントアタック=得点に直結する
から引力が発生するのであって、DFを引き付けるためのペイントアタックには引力は発生しません。
ボールがもらえなさそうでもハードにカットする。常にもらうつもりで準備する。といったことが大切なのです。
引力を発生させる原則の1つ目が個の優位性を利用することです。
引力の強いプレーヤーがいれば、それだけで他のプレーヤーにズレを作ることが可能です。
「DFを引き付けられるプレーヤー=引力の強いプレーヤー」です。
もし、通常のマッチアップで個の力として強い引力が働くようなプレーヤーがいない場合は、ミスマッチを作ることで引力が働く状態を作り出すことができます。
DFを引きつけるOFアクションは「ペイントアタック」です。
DFは期待値の高いシュート打たれる可能性が高まるペイントエリアにボールが侵入した場合、収縮して守ることが原則です。
DFが原則通りに守ってくると、結果としてDFを引きつけることができます。
DFの逆をつく – 2wayクローズアウトを作る –
ズレには小さなズレから大きなズレまであります。
先述のようにレベルが上がれば、小さなズレを効果的に攻めていくことが重要になりますが、まずは大きなズレを作ることが目標です。
より大きなズレを作るための原則は「DFの逆をつく」ことです。
DF側の視点で、「逆をつかれてから(重心の移動が伴う)のクローズアウト」を”2wayクローズアウト”と呼びます。
- 2Wayクローズアウト
-
逆をつかれてからのクローズアウト。
言い換えると、重心の移動が伴うクローズアウト。
- (1Way)クローズアウト
-
重心の移動のないクローズアウト。

大きなズレ、つまり2Wayクローズアウトを作ることでフリーのシュートを打つことができます。
逆の言い方をすれば、(スクリーンを使わずに)フリーのシュートを打つためには2Wayクローズアウトを発生させる必要があります。
1WayクローズアウトはDFの想定内
オフェンスがうまく流れているのに、なんか良いシュートが打てないな

と感じるときがないでしょうか?
それはDFに全て1Wayクローズアウトで対応されているケースが多いです。
一見するとキックアウトなどでクローズアウトが作れているため、「オフェンスがうまく流れている」と思いがちなのですが、相手はそれは「想定内」でむしろそのようなオフェンスに誘導されているとすら言えます。
相手が1Wayで対応しているということは、つまりDFにとって想定内なので、プロアクティブに対応できるため実はOFが後手に回っているのです。
そういった場合は、プロアクティブな動きを逆手に取ってフェイクを入れて逆をつくなど、「形勢(先手後手)」を逆転させる必要があります。


もちろん、1Wayで対応されたとしても距離が長かったり、DFが少し遅れてる場合などはそこからアドバンテージのある1v1が期待できます。
したがって、もちろん1Wayクローズアウトが全てチャンスではないわけではありませんが、2Wayと1Wayの区別をしっかりつけて、2Wayを引き出す意図を持つことは大切だと考えています。
2Wayクローズアウトを発生させることができれば、多くの場合はオープンシュートを期待できます。
オープンシュート(フリーのシュート)は「1v0の状態」と考えることができますので、これが「ズレ」なのか、「数的優位」なのかは、もしかしたら意見の分かれるところなのかもしれません。
しかし大切なのは現象であり、分類にこだわりすぎるのは本末転倒です。
そして、数的優位(アウトナンバー)・個の優位(ミスマッチ)・場面優位(ズレ)がそれぞれ密接かつシームレスに関係していることはいうまでもありません。
プレーのつながりを考えて私は「ズレ」で整理しています。

ドライブ&キックだけではなく、カッティングに対するヘルプも2Wayクローズアウトを発生させやすいシチュエーションです。
逆をつくには初動に反応せよ
逆をつくためにはプレーの予測が必要になります。
ヘルプに来た→パス
では、逆をつく(重心移動を発生させる)ことはできません。
ヘルプにくる前から「あいつがヘルプに来るはず」という予測を立てておいて、ヘルプの動きだしでパスを出せば逆をつくことができます。
これを私は「初動に反応する」と呼んでいます。
DFが完璧に逆を突かれていることがわかります。
ヨキッチは、本当に先を読んで逆をつくことが上手い選手です。
逆をつけるのは「バスケット」が上手い選手
DFの逆をつけるプレーヤーは「バスケットボール」が上手いプレーヤーです。
DFの逆がつけるということは、すなわち「闘争的」にプレーしている証拠だからです。
初動に反応するためには、動く前から見ておいて予測しでおく必要があります。
つまり、「プレーを線で見ている」ということに他なりません。プレーを線で見れるプレーヤーは常に先を考えることができるので「バスケットボール」が上手いです。
上記の
ヘルプに来た→パス
という認知のプレーヤーは、予測ができておらず「ヘルプに来た」という点でしかプレーをとらえられないので、常に後手後手になってしまい、DFの良いカモになります。
DF側は当然
ヘルプに来た→パス→そのパスをカット
というシステムを練習しているわけですから、まさにDF側の練習通りにハマってしまうわけです。
逆をつけるプレーヤーは、そのパスカットをあらかじめ予測して線で捉えて、
ヘルプに来た→次のパスカットの逆をついて別のところにパス
が出せます。
この「線で捉えて逆をつく」プレーはトラップDFに対して重要です。
相手の逆をつけるバスケットボールの上手いプレーヤーを育成したいです。
DFを遅らせる
DFを遅らせることでズレを作る
- ノールックパス(DFの反応を遅らせる)
- スクリーン(DFを物理的に遅らせる)
先述のように、レベルが上がれば、大きなズレは簡単には作らせてもらえません。
小さなズレを積み重ねていくことで大きなズレ、もしくは大きなアドバンテージへと繋げていくことが必要になります。
小さなズレ、つまりDFのちょっとした遅れを作るためのプレーとしては
- ノールックパス
- スクリーン
が重要だと考えています。
DFがクローズアウト(ズレ)を作られないために大切なことは、「ボールが空中にある間にどれだけ距離を詰められるか」ということです。
そのために大切な原則が「プロアクティブ」に動くということです。
つまり、実際にパスを認知してから動くのではなく、パスを予測して先に動くということです。
そのことから考えると、OFは「プロアクティブ」に動けないようにすることが、DFを遅らせるためには有効だということになります。
プロアクティブに動かせない。そのためには予測させないことが重要になり、予測させないためのテクニックとして「ノールックパス」有効に働きます。
ノールックパスでなければシュートが打てていないようなケースが多いことがわかります
NBAの試合を見ていたら、シュートにつながるような決定的なパスではなく、本当に何気ないパスも多くの場合ノールックパスが使われていることがわかります。
ノールックパスによって少しでもDFを遅らせるということが、ハイレベルなNBAではとても重要だということがわかります。
ノールックパスは「基本」ではなく、もはや「マナー」!?
一昔前は、ノールックパスは「カッコつけ」のようにも捉えられることがありました。
しかし、私は上記のような理由からノールックパスは非常に重要度の高いスキルと位置付けています。
今まで、プレーヤーにも、SNS上でも「ノールックパスは基本スキル」と発信してきましたが、Ryotaさんがこのようなポストをされていました。
この言い方は、ノールックパスが「当たり前のスキル」として定着させられる言い回しで素敵だなと思いました。
私の関連するポストも載せておきます。
ノールックパスで観客を魅了する河村選手
ノールックパスと言えば河村選手を思い浮かべる方も多いと思います。
河村選手のノールックパスはアメリカのNBAファンをも魅了しています。
しかし、河村選手自身は「魅せる」ためにノールックを使っているわけではないでしょう(もちろん副次的な効果として期待しているとは思いますが)。
河村選手はサイズのディスアドバンテージがあります。
これはミスマッチで攻められるということだけではなく、「パスが通しづらい」ことが彼にとって非常に大きなデメリットとなります。
目の前のDFとウィングスパンの差が非常に大きいためです。
したがって河村選手は、DFにパスを読まれないことが自分にとって非常に大切だ、ということがよくわかっているのだと思います。
「パスを予測されるとディフレクションされる」という危機感が常にあるのだと思います。
この視点は特にサイズのないガードは大切にしなければいけないと考えています。
スクリーンは、もちろんがっつりかけてノーマークを作ることが目的となる場合が多いですが、それ以外にもDFを遅らせるためにスクリーンを使うということも有効です。
この目的の場合、「スクリーンをDFにかける」というよりは「DFの動線上に立って遠回りさせる」という感覚です。

この場合、DFから離れてセットした方が効果的になります。

ドレイモンドグリーンなら確実にスクリーンを当ててDFを送らせているシチェーションです。
張本選手がスクリーンでDFを送らせていれば、富永選手が3ptを打てたと感じます。
この辺のオフボールで咄嗟に原則的なプレーを選択するIQの高さが日本に欠けている部分だと思います。
すれ違うときは常にスクリーンをかける
上記のようなプレーは、レベルが高いです。
そこそこのバスケットIQがないと咄嗟にスクリーンに立つという判断ができません。
そのスクリーンの判断力をつけていくためには、「すれ違うときには常にスクリーン」と指導していくのが良いのではないかと考えています。
これは先述のように、がっつりとスクリーンをかけてフリーを作るというスクリーンではありません。
そのことをプレーヤーに伝えてあげないと「こんなところでちょっとスクリーンかけて何になんねん」と感じてしまうかもしれません。
すれ違いざまにスクリーンをかけてあげることによって、少しDFを遅らせることができる。
先ほどの言い方を借りると「マナーのスクリーン」と言えるかもしれません。
味方が少しでも有利になるように、楽になるように、考えたプレーができるようになれば、バスケットIQも高まりますし、何より必要とされるプレーヤーになると思います。
フェイクでズレを作る
フェイクでDFを動かしてズレを作ります。
フェイクによってDFを遅らせてクローズアウトシチュエーションを発生させたり、フェイクでDFをズラしてインラインを空けてアタックすることができます。
バスケはフェイクのスポーツだ
この言葉はどこで聞いたのかは忘れてしまいましたが、私がとても印象に残っている言葉です。
これを聞いた当時は、『競争闘争理論』はまだありませんでしたが、まさに「バスケットボールが闘争のスポーツ」だということを端的に述べている言葉だと感じます。
フェイクが上手いプレーヤーは闘争的にプレーしているということですね。
「ミートでズレろ」は古い?
私が小中のころは「ミートでズレろ」とよく言われました。
現在でもしっかりとスキルを発揮すれば、ミートでズレることは有効に働きます。
しかし、現在では「ミートでズレろ」という指導はほとんどされていないと思いますし、私もしない方が良いと考えています。
理由はトラベリングになるからです。
ミートでズレようとすると、キャッチの直前にジャンプすることになり、ほとんどの場合で足が残ってしまっているのでトラベリングになります。
紹介した動画もスローで厳密に見れば(それで論じることにあまり意味はないのですが)足は残っています。
流してみれば、かなりリーガルに見える上記のプレーでも厳密には足が残っている(ようにも見える)ので、多くのプレーで足が残ってしまうでしょう。

キャッチとステップを合わせる
今はどのようなプレーが主流かというと、「キャッチとステップを合わせる」プレーです。
ミートでズレるのではなく、ズレを作るのはそれ(ミート)以前のプレーであり、できたズレを素早く攻めるためには、キャッチした瞬間には接地していて、すぐにシュートやドライブができることが理想です。
キャッチが空中だと、着地するまでの時間でDFがズレを修正できるからです。
特にシューターはこのスキルは非常に大切です。
NBAのシューターたちはみなキャッチとステップが同時で、早いシュートが打てています。
発生したズレを効果的に攻めて期待値の高いシュートに繋げる。あるいはアドバンテージを広げる
- クローズアウト(縦ズレ)を攻める
- シュート力が全て
- 前足を攻める
- 効果的にエキストラパスを使う
- 横ズレを攻める
- スプリットキャッチ
- スタンペード
発生したズレを効果的に攻めて期待値の高いシュートに繋げる。
あるいはアドバンテージを広げる

ズレ(セパレーション)からのブレイクで直接期待値の高いシュートが打てる場合もありますが、多くのケースではDFはヘルプローテーションなどで対応してくるため、OFはそのブレイクに合わせるプレーが重要になります。
後のパートで詳しく体系化するので、ここでは触れませんが、ズレ(セパレーション)からの1v1で「アドバンテージを拡大する」「他のアドバンテージへ繋げる」というチームとしての意図は共有しておく必要があります。
いい流れでクローズアウトを作って1v1からブレイクしたけれど、周りがそれを見てしまって(ボールウォッチャー)ヘルプDFに潰されるというケースがよく見られます。
クローズアウト(縦ズレ)を攻める
クローズアウトの1v1を効果的に攻めて得点する。
あるいはアドバンテージを拡大する
- シュート力が全て – シュートファースト
- 前足を攻める
- 効果的にエキストラパスを使う
クローズアウトの1v1を効果的に攻めて得点する
あるいはアドバンテージを拡大する

チームで発生させたクローズアウトシチェーションを1v1で効果的に攻めるための原則を整理します。
クローズアウトに限らず、1v1全てにおいて言えることですか、「シュート力が全て」です。
シュートを打たれたくないから、DFは前に出る必要が生じますし、フェイクにもかかります。
シュート力がなければ、本来クローズアウトが発生するようなシチュエーションでもDFが前に出る必要性がないので、クローズアウトになりません。
カリーからもわかるように、シュート力が最も強い引力です。
シュート力を高めてシュートファーストで1v1出来ることが大切です。
クローズアウトシチュエーションの1v1では特にDFの前足を攻めることが原則です。
前足の方向にドライブすることで、DFは足を入れ替えなければいけないのでステップに時間がかかるからです。
この原則は、私も中学のときに指導されましたし、そういう経験のある人も多いと思います。
しかし、現状「日本人プレーヤーの多くができていない」と恩塚亨さんと鈴木良和さんはおっしゃっていました。
「欧米のプレイヤーは試合の中で自然にできている。原則を理解したプレーに差を感じる」ともおっしゃっていました。
そのクリニックでは、ゲームの動画を検証してクローズアウトシチュエーションで前足側をドライブした回数をカウントしたところ、欧米のチームは有意に差があったのに対して、日本チームはほとんどランダムに選択されているような回数だったそうです。

ここまでクローズアウトを1v1で攻めることを整理してきましたが、実際にはドライブ&キックなどのケースでは、クローズアウトからドライブはあまり有効でない場合も多いです。
その理由は、ドライブしてキックアウトしたプレーヤーとそのDFがペイントエリア内に残っているため、ペイント付近にドライブするためのスペースがない場合が多いからです。


こういったケースでは「シュートorエキストラパス」という判断になります。
エキストラパスのフェイクも効果的
ドライブ&キックのDFがドライブのヘルプに行っているケースでは、局所的な2v1ができている場合も多く、エキストラパスのフェイクも効果的です。


「クローズアウトを攻める」YouTube優良動画
YouTubeでアップされている中では、こちらの動画がわかりやすくまとまっていておすすめです。私が挙げている項目と少し差異はありますが、「指導者それぞれがプレーモデルを作る」という観点では、それも大事だと思っています。
インラインアタック(横ズレを攻める)
DFが横にズレていてインラインが空いている場合は素早くアタックする
- スプリットキャッチ
- スタンピード
DFが横にズレていてインラインが空いている場合は素早くアタックする

原則的に、インラインが空いている場合は、即アタックです。
即アタックするための2つのスキル
- スプリットキャッチ
- スタンピード
を2つ取り上げます。
スプリットキャッチは足をパッと開く(Split)と同時にキャッチしてそのままアタックするスキルです。
- スプリットキャッチ
-
キャッチの瞬間に足をパッと開いてキャッチすること。
ズレが生じている状態を早く攻めたいので、先述した「キャッチとステップを合わせる」ことが重要です。
日本では、いわゆるジャパニーズステップ=キャッチの瞬間にジャンプすることが習慣化されているプレーヤーが多いので、「キャッチとステップを合わせる」習慣化はしっかり取り組まないと身につきません。
DJ SackmannのSplit Catch解説動画です。
素早くインラインをアタックする2つ目のスキルは”スタンピード(Stampede)”です。
- スタンピード(Stampede)
-
動きながらパスを受け取りそのままアタックすること。
スタンピードは、ボールを受ける前から自分のマークマンの位置を把握しておき、大きくインラインが空いていることを認知して、ボールをもらう前からアタックを開始し、アタックの途中でボールをキャッチするようなイメージです。
サムネイルがほとんど同じなのが面白いw
トラベリングに注意
ランニングステップからドライブするときにはトラベリングに注意が必要です。
2歩目を踏んでからドリブルをすると、確実に軸足が浮いてしまうのでトラベリングになります。
空中でキャッチ(ほとんどの場合は、空中でキャッチしたつもりでも足が残っていて0ステップになっています)1歩目の着地と同時にドリブルします。
そうすると、ドリブルが床につくタイミングと2歩目が床につくタイミングが同じくらいになりますので、そのときには軸足が残っていてトラベリングにはなりません。
この突き出しは練習しておかなければ基本的にトラベリングになってしまうと考えておいて良いかと思います。
まとめ
ズレ(separation)を作り、認知して、優位性のある1v1を効果的に攻める
- クローズアウト/ズレを作る
- DFを引き付ける
①個の優位性を利用する ②ペイントアタック - DFの逆をつく – 2wayクローズアウトを作る –
- DFを遅らせる
①ノールックパス ②スクリーン - フェイクでズレを作る
- DFを引き付ける
- ズレを攻める
- クローズアウト(縦ズレ)を攻める
①シュート力が全て ②前足を攻める
③効果的にエキストラパスを使う - インラインアタック(横ズレを攻める)
①スプリットキャッチ ②スタンピード
- クローズアウト(縦ズレ)を攻める
- クローズアウト/ズレを効果的に攻めることで、得点効率を高められる
- 一つひとつのアクションは究極的にはズレを作るためにある
- 「怖さのないOF」「カタチだけのプレー」になるのは「ズレを作る意図」がないから
- 「引力の働くプレーヤーになる」「引力の働くプレーをする」ことが大切
- ミスマッチ・ペイントアタックによって引力を生じさせられる
- DFの逆をつくことで、2Wayクローズアウトを発生させることができ、ノーマークのシュートを打つことができる
- 1Wayクローズアウトは、オフェンスが優位のように見えて、実はDFの想定内のプレーで誘導されているだけのケースがある。
- 逆をつくには、DFの初動に反応してカウンターする必要がある
- ノールックパスはDFの反応を遅らせることができるので、重要度の高いスキル
- スクリーンはノーマークを作るためだけではなく、DFを少し遅らせるためにも使える
- バスケットボールはフェイクのスポーツ
- ズレを素早くアタックするために「キャッチとステップを合わせる」スキルの習慣化が必要
- シュートファースト→DFの前足を攻める
- 特にキックアウトのシチュエーションでは、ドライブよりもエキストラパスが有効になることが多い
- インラインが空いているときは、スプリットキャッチやスタンピードを使って、即アタック
- スタンピードではトラベリングに注意して指導する















